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ペットシッター開業の手順:登録から料金設定、最初の顧客まで

登録が先、集客はそのあと。環境省と自治体の公式情報をもとに、開業までの道のりを現場目線でまとめました。

住宅街の一軒家の玄関先で、ペットシッターがリードをつけた柴犬にあいさつしている朝の様子

ペットシッター開業に登録は必要?

ペットシッター開業を考え始めると、最初にぶつかるのが「何の登録が必要で、自分は条件を満たしているのか」という壁です。解説サイトごとに書いてあることが少しずつ違い、どれを信じればいいのか迷いますよね。この記事では、環境省と自治体の公式ページで確認できる内容だけをもとに、登録の要件から料金設定、最初の顧客集めまでを順番に整理します。ルールは改正されることがあり、手数料や運用は地域によっても違います。法律や税務の助言ではないので、最終的には管轄の窓口で確認してください。

環境省は、動物の保管や販売、訓練などを事業として行う場合、動物愛護管理法にもとづく第一種動物取扱業の登録が必要だと説明しています。登録は事業所ごと、業種ごとに、都道府県知事または政令市の長に対して行います。

大事なのは、動物や施設を自分で持たないペットシッターも対象だと環境省が明示している点です。飼い主の自宅に通うだけのスタイルでも、登録の対象から外れるわけではありません。対象となる動物は哺乳類・鳥類・爬虫類で、実験動物や畜産動物は除かれます。業種については、たとえば群馬県がペットシッターを「保管」に分類しています。

環境省の手続き案内では、根拠は同法第10条第1項で、営業を始める前に都道府県または指定都市へ申請することとされています。手数料欄は自治体ごとの扱いです。「顧客がついてから登録しよう」では順番が逆になります。

動物取扱責任者の要件と4つのルート

登録には、事業所ごとに動物取扱責任者を置く必要があります。東京都動物愛護相談センターは、常勤かつ専属の責任者を事業所ごとに1名以上と案内しています。一人で開業するなら、自分が要件を満たせるかどうかが、そのまま開業できるかどうかを左右します。

要件は、欠格事由に当たらないことに加えて、下のいずれかを満たすことです。栃木県やさいたま市など、多くの自治体が同様の内容を案内しています。

つまずきやすいのが「飼養経験」の中身です。さいたま市は、求められる経験は登録を受けた第一種動物取扱業での業務に関わるもので、雇用形態は問わないと説明しています。常勤の目安はおおむね800時間以上です。つまり、自分の犬を長年飼ってきた経験は、ここには数えられません。栃木県も、経験だけでは足りず学校や試験の要件と組み合わせる必要があること、常勤の目安が週5日・40時間程度であることを示しています。

もうひとつの落とし穴は、資格と業種の対応です。栃木県は、資格によっては対象となる業種や動物が限られると注意しています。民間資格の講座に申し込む前に、その資格が「保管」の責任者要件として認められるか、窓口で確かめておくと遠回りを防げます。

  • 獣医師の免許を持っている
  • 愛玩動物看護師の免許を持っている
  • 関連業種で半年以上の常勤経験(または同等の1年以上の飼養経験)があり、1年以上の課程がある学校を卒業している
  • 同じ経験があり、公平性と専門性をもつ団体の試験に合格している

登録の流れ:相談から登録まで

細かな手順は自治体ごとに違いますが、おおまかな流れは共通しています。京都府も、申請前に管轄の保健所へ相談するよう案内しています。

  • 事前相談:管轄の動物愛護センターや保健所に連絡し、業種と事業所の考え方を確認する(自宅を事業所にする場合もここで相談)
  • 書類の準備:申請書や責任者の要件を示す書類など、自治体の様式ページで指定されたものをそろえる
  • 申請と手数料:東京都では1業種15,000円、2業種同時なら25,000円で、手数料は返還されない(他地域は金額が異なることがある)
  • 登録後:有効期間は5年で、続けるなら更新が必要。東京都は登録内容の変更や廃業の届出も求めている

開業後も続く義務:研修・帳簿・重要事項の説明

登録して終わりではありません。動物取扱責任者は自治体が行う研修を受ける必要があり、東京都は年1回以上の受講を案内しています。ただし受講の頻度や時期の考え方は自治体によって異なるため、管轄の案内を必ず確認してください。京都府は、帳簿の備え付けや定期報告届書の提出にも触れています。

訪問型のシッターにとって特に大事なのが、顧客への重要事項の説明です。東京都は、事業所の外で業務を行う場合、説明を担当する職員にも、該当業種での半年以上の経験、1年以上の課程の修了、所定の試験合格のいずれかを求めています。スタッフに訪問を任せる予定があるなら、早めに確認しておきましょう。

説明した内容や預かったペットの情報、鍵の受け渡しは、後から確認できる形で残しておくと安心です。Walkies の顧客・ペット情報と契約書なら、ペットのプロフィールやワクチン接種、緊急連絡先、入室情報をまとめて管理でき、契約書は飼い主がアプリ上で署名できます。説明すべき項目そのものは、自治体の案内に沿って用意してください。

Walkies Journal アプリで飼い主が契約書を確認し署名する画面
契約書は飼い主がアプリから確認して署名できます

税務と保険は公式窓口で確認を

個人事業として始める場合、開業時の届出や確定申告など税務の手続きも関わってきます。提出物や期限は変わることがあるので、国税庁のウェブサイトや最寄りの税務署で最新の情報を確認してください。判断に迷うところは税理士への相談も選択肢です。

保険については、ペットシッターに加入を義務づける公的な案内は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。とはいえ、鍵を預かり、他人の家で他人のペットをお世話する仕事です。物損やケガに備える賠償責任保険は、義務でなくても検討する価値があります。補償の範囲は保険会社に直接確認しましょう。

料金の決め方:組み立て方と計算例

料金は「基本料金+追加ペット+出張費+繁忙期の追加料金」のように分けて組み立てると、顧客にも説明しやすくなります。基本料金は30分、60分といった時間単位で決め、近隣の同業者の料金も調べておきましょう。

計算例です(数字は説明用の仮の例)。60分の基本料金を4,000円、2匹目を1,000円、出張費を500円とすると、通常日は5,500円。年末年始に20%の追加料金を設定していれば、5,500円×1.2で6,600円になります。登録手数料や研修費、交通費、保険料も見込んだうえで、1回あたりいくら手元に残るかを確かめてから決めてください。

請求と入金は、開業直後から仕組みにしておくと後が楽です。Walkies の請求書と支払いなら、カレンダーの予約から請求書を作成でき、定期請求書や予約金も設定できます。顧客は Walkies Pay(Stripe)でカード払いができ、週末や祝日の追加料金もあらかじめ登録しておけます。

飼い主がスマートフォンで請求書を開きオンラインで支払う画面
飼い主はスマートフォンから請求書をそのまま支払えます

最初の顧客を見つける方法

まずはサービス提供エリアを小さく絞りましょう。地域の世帯数や競合の状況を調べたうえで、移動時間の短い範囲に集中すると、1日に回れる件数が増え、急な依頼にも応えやすくなります。

集客は地道な方法が効きます。動物病院やペットショップにチラシを置かせてもらう、ポスティングをする、散歩中の飼い主と話す。初回は顔合わせの時間を取り、登録番号や責任者の名前を伝えて、きちんと登録した事業者だと示すと信頼につながります。

安定した収入には、単発より定期の契約が欠かせません。訪問のたびに様子を丁寧に伝えることが、リピートへの近道です。無料のWalkies Journal アプリを使えば、飼い主は写真付きの報告やケアレポートをスマートフォンで受け取り、メッセージのやり取りや請求書の支払いもアプリで済ませられます。

開業前チェックリスト

最後に、開業までにやることをまとめます。上から順に進めれば抜け漏れを防げます。

  • 事業所を管轄する自治体(都道府県または政令市)の窓口を確認した
  • 提供するサービスと業種(保管など)を窓口で確認した
  • 散歩代行のみの場合の扱いを窓口に確認した
  • 自分が動物取扱責任者の要件を満たすか確認した
  • 取得予定の資格が「保管」に対応しているか確認した
  • 申請書類と手数料を自治体の案内で確認した
  • 研修の時期、帳簿、重要事項の説明の準備を整えた
  • 税務手続きを税務署で確認し、保険を検討した

犬の散歩代行だけでも登録は必要ですか?

散歩のみを対象にした明確な公式案内は見つけにくく、民間の解説でも見解が分かれています。環境省は動物や施設を持たないペットシッターも登録対象としているため、散歩代行だけの場合も、事業所のある自治体の動物愛護センターや保健所に具体的な内容を伝えて確認するのが確実です。

自分の犬を長く飼ってきた経験は実務経験になりますか?

なりません。さいたま市は、求められる経験を登録済みの第一種動物取扱業での業務に関わるものと説明しています。経験が足りない場合は、登録業者で働いて経験を積み、学校の卒業や試験の合格と組み合わせる方法を検討しましょう。

登録手数料はいくらかかりますか?

手数料は自治体ごとに決まっています。東京都では1業種15,000円、2業種を同時に申請すると25,000円で、返還されません。他の地域では金額が異なることがあるため、管轄の自治体の案内で確認してください。

副業で始める場合も登録は必要ですか?

環境省の説明は、動物の保管などを事業として行うかどうかを基準にしており、本業か副業かで扱いを分ける記載は見当たりません。東京都は動物取扱責任者に常勤かつ専属であることを求めているので、働き方との兼ね合いも含めて事前に窓口で相談しましょう。